青空とDIYと

天気の良い日は青空の下でDIYを

【塗料】簡単!DIYで使える鉄媒染液の作り方

今回は非常に安価で簡単に作ることができ、かつDIYで使える「鉄媒染液」について紹介します。

この媒染液は木工DIYにおいて主に木材の塗装に使いますが、生木を古材のような風合いに染めることができる面白い塗料として使えます。

目次

1.鉄媒染液は草木染めに使われる

木工DIYにおける鉄媒染液は木材の塗装に使われていますが、本来は衣類の草木染めに使われている媒染液の種類の一つです。

他にもアルミ媒染液とか銅媒染液などもあります。
この草木染めについて私自身は詳しくはありませんが、藍染めなどの有名な名前は知っています。これは植物や自然由来の色素を抽出して布などを染色するものですが、染色後に金属イオンを含んだ媒染液を使うことで、より色素を濃く定着させることができるようです。

また実際に鉄媒染液を木材に塗布した場合、かなりしっかりと色が定着します。

f:id:aozoradiy:20260726163046j:image

上の写真は、左がツーバイフォーの生木に鉄媒染液と墨汁を少し混ぜた塗料を塗布したものです。

かなり黒っぽさと色の深みが出ています。

やはりニスなどの普通の塗料に比べて鉄媒染液は「染まる」という感じがしますね。

ちなみに右に写っている板は本物の古材で、これに鉄媒染液を使ってもあまり変化はありません。なので、木工用のカラーニスで塗装しています。

2.鉄媒染液はタンニンに反応する

木や植物には植物性ポリフェノールの「タンニン」が含まれていて、鉄媒染液はこれに反応して濃い色に変化します。

つまりタンニンの多い材料であれば、その反応も強く出るということです。

古材はタンニン成分がすでに抜けていることが多いので、鉄媒染液を塗ってもほとんど反応しないのはそのためです。

またタンニン自体を先に木材に塗布することで、鉄媒染液の効果を高める方法もあります。

例えばタンニンが多いと言えば、柿渋液や紅茶などがあります。

この「柿渋」は木造建築において古くから木材を着色するのに使われています。塗り重ねることで希望の色に調整したり、その保護効果なども優れていると言われています。

私自身は柿渋塗装はまだやったことがありませんが、これも奥が深い伝統工法のようです。

また、私がこれまで鉄媒染液を使って塗装してきた中では、やはり製材直後の若い生木が良く染まると感じています。タンニン成分が多いからですね。

媒染液自体の濃度も発色に関係してきます。

基本的には媒染液が濃ければ、発色も濃くなると感じています。この濃さは、媒染液を作る際の水の量で調整可能です。

ちなみにベニヤも良く染まりますが、ものによっては「緑がかった色」になる場合もあるので、試し塗りが必要かもしれません。

上の画像は自作の卓上道具箱ですが、針葉樹合板を鉄媒染液で着色したものです。

木目が際立ったのと、右側の方はやや緑がかった感じに仕上がりました。

aozoradiy.hateblo.jp

 

ホームセンターで手軽に手に入る木材で良く染まるタイプは、

・ツーバイフォー

・松の木材

・ベニヤ、合板など

などがありますが、基本的に「生木は染まる」と考えて良さそうです。

ただ杉やヒノキは、上の木材に比べるとあまり染まらない気がします。

あとはウォールナットなどの広葉樹も染まると思いますが、まだそういった作品を作っていないので、これから知っていこうと考えています。情報によるとしっかりと染まるようです。

また、節の部分や松脂が濃い箇所は、鉄媒染液が浸透しないのであまり染まりません。

そういった塗装ムラが出るのも鉄媒染液の特徴かと思います。

3.試しに塗ってみる

鉄媒染液はほぼ水のような液体で、簡単に液だれします。

なので作業台などを汚したくない場合はシートを敷いてから塗装するのがおすすめです。こぼすと簡単にシミになるので。

参考までに、上の写真が作業台の天板ですが、こぼれた鉄媒染液によりシミのように染まっているのがわかります。

 

また今回塗ってみる簡易クランプですが2年ほど前に作った治具です。木材はすでに十分に乾燥しており表面には何も塗っていません。

この松の垂木を片方だけ鉄媒染液で塗ってみました。

小口の部分は、どの塗料もそうですが色が濃く出ますね。

これは木が水を吸い上げる「導管」の断面が現れているので、必然的に水分などが浸み込みやすいからです。

小口の色をあまり濃くしたくない場合は、水に溶いた木工用ボンドをあらかじめ浸み込ませて乾かしておくと、そのあとに塗る塗料の浸み込みをある程度抑えることもできます。

また実際に鉄媒染液を塗るとわかるのですが、塗った瞬間はそれほど色に変化はありません。

特に媒染液を作って間もない場合や、水で薄めたものなどは、最初ほとんど色が出ない場合があります。それでも時間が経つと褐色系に変化します。

実際に私が今使っているのはかなり濃い媒染液なので、いきなり深い色に染まっています。この場合の濃いと言うのは、溶けたスチールたわしの量と、酢や水のバランスを意味しています。

鉄媒染液を塗布して少し経つと、木目に沿ってはやくもムラが出てきました。

これが時間とともに濃くなったり、または濃淡がハッキリすることもあります。

媒染液を塗る際の注意点としては、塗布面が生乾きの状態で台や桟木などの上に置いて乾かすと、空気に触れていない部分と、他の部分で発色の差が出てくる点です。

一度そのムラができてしまうと、再度塗り重ねてもなかなか違和感が消えないので、なるべく乾燥してから次の工程に移ると失敗しないと思います。

この発色ムラは、もしかすると光が当たらないことによって差が出るのかもしれませんが、空気に触れることも含めどちらも関係している可能性があります。

4.作り方と保存方法

鉄媒染液の作り方はとても簡単です。

用意する物は、

・お酢(穀物酢など)500mlくらい※クエン酸水溶液でも代用可能

・水(必要に応じて薄める)200mlくらい※使わなくてもいい

・スチールウールたわし(洗剤がついていないもの)※錆びた釘でも代用可能

・制作用と保存用の容器(ガラスやプラスチック・ペットボトル)※金属は溶けます

・鉄媒染液を濾すための網(ステンレス製だと錆びない)

以上になります。

お酢の代わりに「クエン酸」でも代用できますが、私の時はクエン酸を水に溶かした際の濃度がイマイチだったようで、スチールたわしの反応が悪かったです。

 

作り方は、上記の材料を容器の中に入れて数日間待つことで、酸がスチールウールを溶かし鉄媒染液に変化します。

このときタワシから気泡が出てガスも発生するので、容器のふたは絶対に密閉しないようにするのが大事です。

もし密閉してしまうと、最悪の場合爆発する恐れがあるので。

制作の際は自己責任でお願いしますね。また匂いが強いので屋外で作ることをおすすめします。

また2・3日経ったら軽く液体を混ぜても良いかもしれません。液体内での反応のばらつきを均一化するためですね。混ぜることで錆の成分を全体に回らせる意味合いもあります。

 

初めて作る場合は、容器を2つ用意して、原液の酢で作るパターンと、水と酢が1:1の2パターンで作ってみて、スチールウールが溶ける反応や媒染液の濃度を実験してみるのがおすすめです。

自分がどのような色合いの媒染液が好みなのか、作っていくうちに見えてくると思います。

私の場合は濃い色が好みなので、スチールたわしを3つくらい入れ、酢はほぼ原液を使っています。

酢を水で薄めるよりも原液の方がスチールたわしとの反応が早く、媒染液も短期間で完成すると言うのもあります。

実際に鉄媒染液として使えるようになる期間は、早ければ2・3日でそれなりの状態になるかもしれません。

長くても1週間もあれば、かなりスチールたわしが溶けているのがわかります。

スチールたわしは容器に2つか3つくらい入れておくと良さそうです。

酸化した鉄が鉄媒染液になる

この際のポイントは、たわしを完全に液体に漬けるのではなく、一部は水面に露出するようにすることです。

そうすることで、スチールたわしに錆を発生させます。

おそらくこの「錆び」が重要な要素になるようで、スチールたわしの他に「錆びた釘」を使う場合もあるようです。つまり酸化した鉄がポイントなんですね。

保存容器に移す場合は濾してから

鉄媒染液を作ってしばらく経つと、スチールたわしが細かく分解されて容器の底に沈殿します。そのままハケなどで塗布すると、その細かい鉄くずが付着してしまうので、使う前にステンレス製の網などで濾す必要があります。

コーヒーフィルターでも代用可能に思えますが、私の場合だとすぐ目詰まりして使えませんでした。

そこでかなり目の細かいこし器を使って濾しています。

 

酢の匂いが苦手ならクエン酸で

酢も原液だとかなり強い匂いがしますよね。私は大丈夫ですが、それでもキツいなと感じることもあります。そういった匂いが苦手な場合は、クエン酸を水に溶かした水溶液が酢の代わりになります。ほぼ無臭の鉄媒染液を作ることができます。

この場合のクエン酸の濃度は、完成した鉄媒染液の効果を見ながら調整する必要があると思います。私は初期にクエン酸パターンもやってみましたが、今は「お酢一択」です。

また完成した鉄媒染液は作った容器でそのまま保存することも可能ですが、使う際にスチールたわしの鉄くずが気になるので、別容器に移すことをおすすめします。

私の場合は、500mlのペットボトルに「じょうご・漏斗」を使って移し替えています。

そして制作用の容器にある沈殿しているスチールたわしの鉄くずはそのままにして、あらたに酢とたわしを加えて定期的に作っています。継ぎ足して作る秘伝のタレみたいな感じです。

ちなみに成分の特性上、長期保存しても腐ったりすることはないようです。

まとめ

生木を古材のような風合いに染めることができる鉄媒染液、簡単に作れるので一度試してみることをおすすめします。

自然由来の成分なので環境にも優しいと思います。

塗装に使ったハケは水性塗料と同じ扱いで、水で普通に洗うことができます。

注意点としては、洋服などにつくとシミのように染まってしまうので、そのくらいですかね。手はビニール手袋があれば問題ないですね。

塗料の下塗りとしての鉄媒染液

またニスなどの塗装による仕上がりの深みを出すための、下塗りとしても鉄媒染液は活躍します。

白っぽい生木にそのまま木工ニスで着色すると、どうしても嘘っぽい浮いた色になる場合があります。

その際にあらかじめ鉄媒染液で着色して、その上にニスなどで塗装することで、深みのある落ち着いた高級感のある仕上がりになります。もちろんこの辺りの感覚は人によるとは思いますが。木目がハッキリと際立つ効果もあります。

私は家具などを作った際にウォールナット色で仕上げることが多いのですが、そのほとんどの場合下塗りに鉄媒染液を使っています。

上の写真の脚の部分が「鉄媒染液+仕上げニス」になります。

上の黄色っぽい色はケヤキの塗料ですが、こちらには下塗りに鉄媒染液は使っていません。

 

このように深みのある色にしたい場合は、鉄媒染液であらかじめ着色しておくことで本塗装前の下処理もできるし、費用の面においてもかなり経済的と言えます。

鉄媒染液だと大量に使っても原価が安いですからね。塗料だとそうもいきません。

倹約DIYの味方とも言えますね。 

                                                     

また今回試し塗りした垂木の2日後の様子をお見せします。

塗布直後に比べるとかなり落ち着いた雰囲気に仕上がりました。

ちょっと面白いのが小口の染まり方ですね。これは何らかの理由でムラが出たようです。ちなみに色の薄い箇所は染まっていないのではなく、濃い部分が目立っているといった感じです。

上の写真は2年ほど前に鉄媒染液を塗った胴縁ですが、塗っていない面は生木の状態で、塗布面はかなり褐色になっており、ウォールナット色と言ってもいいくらいの色合いになっています。

鉄媒染液についての紹介は以上になります。

是非今回の記事を参考にして、手軽に作れて使いやすい「鉄媒染液」を試してもらえたらと思います。

作る際は容器を密閉しないことを忘れずにお願いします!

最後まで読んでくださりありがとうございました。